「子どもに海外経験をさせたい」
「英語力を伸ばしたい」
「でも、日本の大学進学ルートも残しておきたい」
海外教育を考える保護者の中には、このような悩みを持つ方も多いのではないでしょうか
そこで近年、注目されているのが、日本の私立高校が海外に設置している「海外分校」です。
日本の教育システムを基盤にしながら、海外という環境で学ぶことができる海外分校は、
「日本教育の安心感」
「海外経験」
これら両方を求める家庭から注目されています。
代表的な学校としては、
・慶應義塾ニューヨーク学院
・早稲田渋谷シンガポール校
・ 立教英国学院
などがあります。
この記事では、日本の私立高校海外分校について、仕組みや特徴、メリット・デメリット、ボーディングスクールとの違いまで詳しく解説します。

海外分校とは?
日本の私立高校の海外分校とは、日本の学校法人が海外に設置した学校や教育施設のことです。

「日本の高校が海外にも学校を作ったもの」と考えると分かりやすいでしょうか

一般的な高校留学の場合、生徒は海外の現地校やボーディングスクールへ進学します。
その場合、授業内容や卒業資格は、その国の教育制度に基づくことになります。
一方、日本の私立高校海外分校では、日本の高校教育をベースにしたカリキュラムが組まれている学校が多く、日本の高校卒業資格につながる教育を受けることができます。
そのため、
・日本語で主要教科を学びたい
・日本の大学進学も視野に入れたい
・海外での生活や英語を体験したい
という家庭にとって魅力的な選択肢となっています。
日本の私立高校の海外分校一覧【2026年版】
「日本の私立高校の海外分校」と検索すると、具体的にどのような学校があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
日本の私立学校が海外に設置している高校は多くありませんが、その分、それぞれの学校には明確な特色があります。
代表的な海外分校には、
・アメリカで慶應教育を受けられる
「慶應義塾ニューヨーク学院」
・シンガポールで早稲田教育を受けられる
「早稲田渋谷シンガポール校」
・イギリスで全寮制教育を行う
「立教英国学」
などがあります。
海外分校は、単に「日本の高校を海外に移した学校」ではありません。
各校が独自の教育方針を持ち、海外という環境を活かした国際教育や寮生活、異文化交流の機会を提供しています。
日本の私立高校海外分校一覧表(学費・特徴も紹介)

※学費は年度や為替によって変動します。また学費以外にも諸費用や交通費などもかかりますので最新情報は各学校の公式サイトをご確認ください。
慶應義塾ニューヨーク学院






日本の私立高校の海外分校を代表する存在として、多くの家庭から注目されているのが慶應義塾ニューヨーク学院(Keio Academy of New York)です。
アメリカ・ニューヨーク州の郊外に位置するこの学校は、慶應義塾が設置した海外唯一の高等学校です。

1990年に開校し、日本の慶應義塾の理念を受け継ぎながら、アメリカという国際的な環境の中で学べる教育機関として発展してきました。
最大の特徴は、日本の高校教育と海外生活、そして慶應義塾大学への進学ルートを同時に実現できる点です。
「海外で高校生活を送りたい。でも日本の大学進学の可能性も残したい」
そんな家庭にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
慶應義塾大学への内部進学制度が最大の特徴

慶應義塾ニューヨーク学院の大きな魅力は、卒業後に慶應義塾大学への推薦進学制度があることです。
一般的な海外留学の場合、帰国後に日本の大学受験へ向けた準備が必要になります。
しかし慶應義塾ニューヨーク学院では、慶應義塾大学への進学という明確なルートが用意されているため、高校時代を海外で過ごしながら、日本の難関私立大学への進学を目指すことができます。
学校公式情報では、卒業生の大学進学率はほぼ100%とされています。
また、慶應義塾大学への内部進学者が多いことが特徴で、年度によって変動しますが、多くの卒業生が慶應義塾大学へ進学しています。
そのため、
「海外経験を積ませたいけれど、日本の大学進学で不利になってほしくない」
と考える家庭から高い人気があります。
学費は年間約1000万円が目安
海外高校進学を考える際、気になるのが費用です。

為替によって変動しますが、授業料・寮費などを合わせると、年間約1000円を見込む必要があります。

決して安い進路ではありませんが、アメリカでの高校生活、寮教育、そして慶應義塾大学への進学機会を含めた総合的な教育環境に価値を感じる家庭から選ばれています。
早稲田渋谷シンガポール校




日本の私立高校海外分校の中で、アジア圏を代表する学校の一つが早稲田渋谷シンガポール校です。
1991年に開校した同校は、早稲田大学の系属校として、シンガポールという国際都市の環境の中で日本の高校教育を受けられる学校です。

「海外で生活しながら、日本の大学進学ルートも残したい」
という家庭から人気が高く、近年は日本国内から受験する生徒も増えています。
シンガポールは治安の良さや英語環境、多文化社会という特徴があり、高校生が海外生活を経験する場所としても注目されています。
早稲田渋谷シンガポール校では、日本の教育を基盤にしながら、アジアの中心都市で国際感覚を身につけられる点が大きな魅力です。
早稲田大学への内部推薦制度が大きな魅力

早稲田渋谷シンガポール校の最大の特徴は、早稲田大学への推薦制度がある系属校であることです。
一般的な海外高校では、日本の大学へ進学する場合、帰国後に大学受験へ向けた準備が必要になります。
しかし同校では、一定の条件を満たした生徒は、早稲田大学への推薦進学を目指すことができます。
2025年度には90名分、2028年大学進学年度には101名分の推薦枠が設けられており、政治経済学部、法学部、国際教養学部、理工系学部など幅広い学部への推薦枠があります。
ただし、早稲田大学への進学は「全員が自動的に進学できる」という制度ではありません。
在学中の成績や人物評価、希望学部などを総合的に判断して決定されます。
そのため、
「海外生活を経験しながら、早稲田大学への進学可能性も残したい」
という家庭にとって魅力的な選択肢となっています。
学費は年間約700万円が目安
海外高校への進学を検討する際、気になるのが費用です。


早稲田シンガポールは学年よって学費が違います
さらに寮費や食費、教材費、制服代などが必要になります。

為替レートによって変動しますが、年間総額では約700万円程度を目安に考える家庭が多いでしょう。

このほかに制服代、教科書代などの諸経費がかかってきます。詳しく早稲田シンガポールのHPをご覧ください
立教英国学院




日本の私立高校海外分校の中でも、独自の存在感を持つのが立教英国学院(Rikkyo School in England)です。
イギリス・ロンドン近郊にある同校は、立教学院が設置した在外教育施設で、日本の教育課程を基盤にしながら、英国という国際的な環境の中で学べる全寮制の学校です。

最大の特徴は、単に海外で日本の高校教育を受けるだけではなく、寮生活を通じて自主性や国際感覚を育てる教育環境にあります。
英国の伝統的なボーディングスクールのような生活スタイルを取り入れながら、日本の大学進学にも対応できる点が、多くの家庭から支持されています。
英国の環境で学ぶ「日本教育×国際経験」
立教英国学院では、日本の学校教育をベースにした授業が行われています。
そのため、日本の高校卒業資格につながる学習を継続しながら、イギリスという異文化環境の中で生活できます。
海外生活では、英語力だけではなく、
- 異なる価値観を持つ人との交流
- 海外で生活する適応力
- 自分で考えて行動する力
を身につけることができます。
また、英国ならではの歴史や文化に触れられることも大きな魅力です。
ロンドン近郊という立地を活かし、校外学習や文化体験などを通して、日本国内では得にくい経験を積むことができます。
立教大学への推薦制度と大学進学実績
立教英国学院の大きな魅力の一つが、立教大学への推薦制度があることです。
推薦条件を満たした生徒は立教大学への進学が可能で、2025年度(2026年4月入学)では、卒業生43名のうち32名が立教大学へ進学しています。
これは単純計算すると約74%にあたり、海外で学びながら立教大学への進学ルートを確保できることは、大きな安心材料になります。
また、立教大学以外にも、国内外の大学への進学実績があります。
特に、
・日本の大学進学を考えている
・海外経験も重視したい
・大学受験だけに高校生活を縛りたくない
という家庭には魅力的な環境です。
学費は年間約900万円(初年度)が目安
立教英国学院は、授業料だけではなく寮費・食費を含めた「全寮制の教育費」として考える必要があります。
2026年度の高等部の場合、フルボーディング(全寮制)の学費は年間£39,975です。これは授業料・寮費・食費などを含む金額です。

為替によって変動しますが、日本円では年間約900万円になる可能性があります。
英国での全寮制教育、日本語による高校教育、大学進学サポートを含めた総合的な教育環境として費用を考える必要があります。
日本の私立高校海外分校へ進学するメリット
海外で高校生活を送る方法には、現地校、インターナショナルスクール、ボーディングスクールなどさまざまな選択肢があります。
その中で、日本の私立高校海外分校が選ばれる理由は、日本の教育環境を維持しながら海外経験を積めることです。
海外留学では、「英語力を伸ばせる」というメリットがある一方で、日本の大学進学や帰国後の学習面に不安を感じる家庭もあります。
海外分校は、そのような不安を解消しながら、子どもに国際的な環境を与えられる進路の一つです。

日本の高校卒業資格を取得できる

海外分校の大きなメリットの一つは、日本の高校教育とのつながりを保ちながら学べることです。
文部科学省が認定する私立在外教育施設は、日本国内の小学校・中学校・高等学校に相当する教育課程を持つ施設として認定されています。
高等部を卒業した場合、日本の大学入学資格を有します。
海外で高校生活を送る場合、家庭が心配することの一つに、
「日本へ戻ったときに進学で不利にならないか」
という点があります。
例えば、海外の現地校では、その国独自の教育制度や卒業資格に基づいて学ぶため、日本の大学受験を考えた場合には追加の準備が必要になることがあります。
一方、海外分校では日本の教育課程をベースにしているため、日本の高校と同じような学習進度を維持しやすい環境があります。
もちろん、学校ごとにカリキュラムや卒業資格の扱いは異なるため、志望校を検討する際には確認が必要です。
しかし、
「海外に行きたいけれど、日本の教育から大きく離れるのは不安」
という家庭にとって、海外分校は安心感のある選択肢と言えるでしょう。

文部科学大臣認定「私立在外教育施設」という資格のある学校が日本の高校卒業資格のもらえる学校となります。ほぼ全ての海外分校にあるのですが念のためHPでも確認してみてください
日本の大学進学ルートを維持できる

海外分校のもう一つの大きな魅力は、日本の大学進学への道を残せることです。
特に、今回紹介した、
- 慶應義塾ニューヨーク学院
- 早稲田渋谷シンガポール校
- 立教英国学院
のような大学附属・系属校では、それぞれ系列大学への推薦制度があります。
一般的な海外留学では、海外生活を経験した後、日本の大学へ進学する場合、帰国後に大学受験対策を行う必要があります。
一方で、海外分校では高校在学中から日本の大学進学を見据えた学習を継続できます。
例えば、
「高校時代は海外で成長してほしい」
「でも大学は日本の難関大学も選択肢に残したい」
という家庭にとって、この進学ルートは大きなメリットになります。
また、海外分校での経験は、大学進学後にも活かされます。
海外生活を通じて身につけた英語力、異文化理解、自立心は、大学で国際的な環境に身を置く際にも大きな強みになります。
ただし100%内部進学ができる学校は少ないのでどのくらいの人が大学進学できるのかについてはHPなどをご覧ください。
海外生活で英語力・国際感覚が身につく

海外分校の最大の魅力は、やはり海外という環境そのものです。
日本国内の高校では得にくい経験を、日常生活の中で積み重ねることができます。
海外で生活すると、授業以外にも、
・現地の文化に触れる
・異なる価値観を持つ人と関わる
・英語を使って生活する
・自分で判断して行動する
といった経験が増えます。
特に寮生活を取り入れている学校では、親元を離れて生活することで、自立心や責任感も育まれます。
高校生という多感な時期に海外で生活することは、単に語学力を伸ばすだけではありません。
「日本では当たり前だったことが、海外では当たり前ではない」
という気づきを得ることで、多様な考え方を受け入れる力が身につきます。
グローバル化が進む現在、英語力だけではなく、
・自分の意見を持つ力
・異なる文化を理解する力
・新しい環境に適応する力
は、将来どの分野へ進むとしても重要な能力になっています。

日本の学校が運営しているので学校への相談もハードルが下がって親としては安心ですね
日本の私立高校海外分校の注意点

日本の私立高校海外分校は、日本の教育と海外経験を両立できる魅力的な選択肢です。
一方で、海外で高校生活を送るということは、国内の高校とは異なる challenges もあります。
「海外だから英語が身につく」
「有名校だから安心」
と考えるだけではなく、費用面や生活環境、子どもの性格まで含めて検討することが大切です。
ここでは、海外分校を選ぶ前に知っておきたい注意点について解説します。
学費・生活費が高額になる
海外分校を検討する際、多くの家庭が最初に考えるのが費用面です。

海外で高校生活を送る場合、日本国内の私立高校と比較すると、学費や生活費は大きくなる傾向があります。
特に、今回紹介した慶應義塾ニューヨーク学院、早稲田渋谷シンガポール校、立教英国学院のような学校では、寮費や食費を含めた費用が必要になります。
また、海外の場合は為替の影響も受けます。
例えば円安の時期には、同じ学費でも日本円で見た負担額が大きくなる可能性があります。
そのため、学校が公表している授業料だけを見るのではなく、3年間・場合によっては6年間の教育費全体を考えて判断することが重要です。
入学できる人数が限られている

海外分校は、日本国内の一般的な高校と比較すると募集人数が限られています。
例えば、慶應義塾ニューヨーク学院や早稲田渋谷シンガポール校などは、海外という特殊な環境で教育を行うため、大規模な募集を行っている学校ではありません。
そのため、人気校では一定の競争があります。
また、海外分校の場合、学力だけではなく、
・英語力
・志望理由
・海外生活への適性
・人柄
・自立して生活できる力
なども重視されます。
特に寮生活を伴う学校では、「勉強ができるか」だけではなく、「集団生活の中で前向きに過ごせるか」という点も重要になります。
そのため、受験を考える場合は、直前の準備だけではなく、早い段階から英語力や海外経験への準備を進めておくことがおすすめです。
日本の高校とは異なる環境への適応が必要

海外分校の大きな魅力は海外環境ですが、それは同時に挑戦でもあります。
日本の高校生活とは異なり、海外では文化や生活習慣、人との関わり方が大きく異なります。
特に寮生活の場合、
・朝起きる時間
・洗濯や整理整頓
・食事管理
・体調管理
・勉強時間の確保
などを自分自身で管理する必要があります。
中学生までは親がサポートしていた部分も、高校生になると自分で判断する場面が増えます。
もちろん、最初から完璧にできる必要はありません。
むしろ海外分校での生活を通じて、失敗しながら学び、自立していくこと自体が大きな成長につながります。
ただし、
「海外に行けば自然と成長する」
というわけではありません。
本人が海外生活に挑戦したいという気持ちを持っているか、学校の環境が性格に合っているかを確認することが大切です。
海外分校とボーディングスクール、どちらを選ぶべき?
海外で高校生活を送る選択肢として、日本の私立高校海外分校と並んで注目されているのが、海外のボーディングスクールです。
どちらも海外で学び、国際的な環境で成長できる点は共通していますが、教育方針や卒業後の進路には大きな違いがあります。
日本の私立高校海外分校は、日本の教育課程を基盤にしながら海外経験を積めることが大きな特徴です。
日本の高校卒業資格につながる教育を受けられるほか、慶應義塾大学、早稲田大学、立教大学など系列大学への推薦制度がある学校もあります。
そのため、
・日本の大学進学を視野に入れている
・日本の教育環境を残したい
・海外生活に初めて挑戦する
という家庭には向いている選択肢です。
一方、
海外ボーディングスクールは、現地の教育システムの中で学ぶ学校です。
特にアメリカやイギリスの名門校では、少人数教育、探究型学習、課外活動、リーダーシップ教育などを重視しており、海外大学進学を目指す生徒も多くいます。
そのため、
・海外大学への進学を目指したい
・英語環境に深く入りたい
・世界中の生徒と学びたい
・自分の興味や才能を伸ばしたい
という場合には、ボーディングスクールが適している場合があります。
どちらが優れているというよりも、大切なのは「子どもの将来の目標」と「性格」に合っているかです。
日本の大学進学ルートを重視するなら海外分校、海外大学進学やより国際的な環境を求めるならボーディングスクールなど、それぞれの特徴を理解した
上で選択することが大切です。
| 海外分校 | ボーディングスクール |
|---|
| 教育制度 | 日本の教育課程 | 現地教育制度 |
| 卒業資格 | 日本の高校卒業資格 | 各国の卒業資格 |
| 大学進学 | 日本大学への進学ルートが強い | 海外大学進学に強い |
| 特徴 | 日本教育+海外経験 | 国際環境+探究教育 |
| 向いている家庭 | 日本進学も残したい | 世界大学進学を目指したい |
まとめ|海外分校は「日本教育×海外経験」を叶える選択肢
日本の私立高校海外分校は、日本の教育を基盤にしながら海外で高校生活を送ることができる、貴重な選択肢です。
これらの学校の魅力は、単に海外で生活できることだけではありません。
日本の高校教育とのつながりを保ちながら、英語力、国際感覚、自立心を育てられる点にあります。
また、系列大学への推薦制度を持つ学校もあり、
「海外経験を積ませたい」
「でも大学進学の選択肢は大切にしたい」
という家庭にとって、海外分校は大きなメリットがあります。
一方で、海外分校への進学には、学費や生活環境への適応など、事前に考えるべきポイントもあります。
海外での高校生活は、すべての子どもに同じように合うわけではありません。
大切なのは、学校の知名度やイメージだけで判断するのではなく、
・子どもがどのような環境で成長したいのか
・将来どのような進路を目指すのか
・海外生活に挑戦する準備ができているのか
を考えることです。
海外分校は、日本と世界をつなぐ教育の選択肢の一つです。
グローバル化が進む今、高校時代から海外で学ぶ経験は、子どもの可能性を広げる大きなきっかけになるでしょう。
「日本の安心感」と「海外での成長機会」。
その両方を大切にしたい家庭にとって、私立高校の海外分校はこれからますます注目される進路と言えます。






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