ボーディングスクール受けるにはどうしたらいいの?
と、気になる方に向けて「ボーディングスクール受験について」まとめてみました!
国外の学校の受験って
・SSATっていつ受けるの?
・英語力はどれくらい必要?
・スケジュールはどんな風なの?
・ボーディングスクールってどうやって受けるの?
・何が評価されるの?
などなど、調べれば調べるほど不安が増えていきませんか?
日本ではまだ情報が少ないため、正しい手順や基準がわかりにくいのが現状です。
私自身、息子の受験をはじめた頃は右も左もわからず、手探りで出願を進めました。
しかし実際に複数校に出願し、学校訪問や面接を経験する中で、合格する子の共通点や必要な準備が見えてきたのも事実です。
この記事では、初めてのご家庭でも迷わないように、
・受験の全体像
・必要書類
・合格ポイント
・失敗しやすい点
を実体験を交えながらわかりやすくまとめました。

1. ボーディングスクール受験の基本を理解する
ボーディングスクールとは?日本との違い

ボーディングスクールは全寮制の中学・高校で、学業だけでなく人格形成・自立・リーダーシップを重視した教育が行われます。
また世界のトップ校に数多くの生徒を進学させており、アイビーリーグなどの登竜門となっております。
主な特徴は以下の通りです。
- 1クラス10〜12名の少人数指導
- 教師が寮に住み、生徒を24時間サポート
- スポーツ・アート・音楽・ディベートなど課外活動が充実
- 世界のトップ校への受験サポートが充実
息子もディベート部・ボート部など、日本では得られなかった経験を得られました。
ボーディングスクールについて詳しくこちらの記事まとめてます。
合格を決める評価ポイントとは?
ボーディングスクールの受験では、日本のように「テストの点数だけ」で判断されることはありません。
アメリカの学校は “総合評価(Holistic Review)” を採用しており多面的に判断します。
主な評価ポイントは次の6つです。
成績(Grade)
直近2〜3年の学校成績は最も基本となる指標。
評価基準の中で最も高いウェイトを占めています。
面接(Interview)
アメリカの学校が最重視する項目。
コミュニケーション力、好奇心、協調性、考え方など「人柄」を深く見られます。
もちろん英語力もチェックされます。
推薦状の評価(Recommendation)
担任・英語・数学など複数の先生からの評価は、学校生活での姿勢や協調性を判断する重要な材料です。
エッセイ内容(Essay)
価値観・興味関心・強みを文章で表現する大切な書類。
学校によって質問が異なり、一貫性のあるストーリーで語れているかが重要になります。
課外活動(スポーツ・芸術・ボランティア)
“勉強以外で何を頑張ってきたか” は大きな評価材料。
アスリート、音楽、アート、ディベートなど、活動の幅が広いほどプラスになります。
性格の成熟度(Maturity)
アメリカでは“自立心・責任感・コミュニティ性”など、性格面の成熟度が非常に重視されます。特に寮生活では自己管理が重要なため、面接や推薦状からこの部分を深くチェックされています。
学校側はこれらすべてを 総合的に組み合わせて合否を決めます。
なお一般的な評価のウェイトとして
- 成績 40%
- 面接・エッセイ 30%
- 課外活動30%
となります。

受験できる学年と準備開始のタイミング
受験できる学年
一般的に入学できるのは 9〜10年生(日本の中3〜高1)。
留学生は 9年生(中3) 入学が最も多いです。
もちろん日本で中3を卒業して10年生からの入学も可能です。
・日米の学年早見表
・入学のおすすめ学年
・学年を落とす落とす場合
などを、こちらの記事にまとめてます。
準備開始のベスト時期
受験の1年前からでは遅く、理想は 1年半〜2年前。
理由は以下の通り:
- SSAT・TOEFL対策
- 推薦状の準備
- エッセイ作成
- 面接練習
- 書類の英語準備
我が家も、特に推薦状で時間がかかり早めの準備の重要性を痛感しました。
留学そのものの準備スケジュールについてはこちらの記事でまとめてます。
自分のアピール軸を明確にしておく
ボーディングスクール受験では、
「これまで何をしてきたか」
「自分の強みは何か(どんな人間か)」
「志望動機」
この3つが必ず聞かれます。
そのため、受験を進める前に
「自分の売り(アピール軸)」を明確にしておくこと
がとても大切です。
アメリカの学校は“実績よりもストーリー”を重視しますが、そのストーリーを支える体験や活動歴があると説得力が一気に増します。
たとえば、
- 長く続けてきたスポーツ
- ボランティアや学校内での役割
- コンテストや受賞歴
- 得意分野に取り組んだ経験
こうした実体験は、面接・エッセイ・願書のすべてで大きな武器になります。
中学生の間に「これが自分の軸だ」と言える体験を積んでおくことで、受験の時に話す内容がぶれず、一貫性のある“魅力的なストーリー”として学校に伝わります。
留学生が受かりやすい理由と日本人の強み
日本人は“希少枠”

「日本人は希少枠」と言われても、最初はあまりピンとこないかもしれません。
しかし多くのボーディングスクールでは、名門大学と同じように
“ダイバーシティ(多様性)” を重視した学生構成
を目指しています。
できるだけ多くの国から生徒を受け入れることで、文化的にも学びの幅が広がるという考え方です。
実際、アジア圏では中国・韓国などの応募者が非常に多い一方、日本からの留学生は全体としてまだ少数。
そのため学校側からすると「もっと日本からの学生に来てほしい」というニーズがあり、日本人が歓迎されるケースが多いのは事実です。
息子の受験でも、日本出身というだけで「ぜひ来てほしい」と声をかけられたこともあり、希少性を実感しました。
ただし、名門校レベルになると事情は少し異なります。
日本人だとしても 応募倍率が高く、国籍よりも成績・面接・課外活動の質が重視される 学校も少なくありません。
そのため、「日本人だから有利」というよりは、「日本人は希少で歓迎されやすいが、名門校は実力勝負」というイメージが正確です。
受験の流れと年間スケジュール
年間スケジュールの目安
- 2年前SSAT・TOEFL対策
- 1~6月学校サーチ
- 8月学校HPから面接の予約
- 9月願書ポータルオープン
- 9月~12月面接・キャンパスツアー
- 1月15日書類出願
- 3月10日合格発表(全校共通)

11月くらいから一気に忙しくなるのでそれまでできる準備はしておいた方がようですね
4-2 受験を進める上での注意点

ボーディングスクール受験で最も注意したいのは、受験の“進む順番が日本と逆”という点です。
実はボーディング受験は、願書よりも先に 面接が来る ことが多く、人によっては願書提出より 数か月前に面接 が行われます。
つまり——
エッセイや願書の内容が固まり切っていない段階で、価値観や強みについて深く聞かれる
という非常に特殊なプロセスになります。

私たちも、夏の時点で息子の「強み」や「何を軸に出願するか」を固めきれておらず、早めに来た面接で準備不足を痛感しました、、、
面接と願書の内容に一貫性があるかどうかは合格に直結するため、
後から「もっと夏の段階で整理しておけばよかった…」と強く感じた部分です。
結論としては、
受験の核になる“自分の強み・価値観・将来像”は夏までに決めておくことが必須。
これができていると、早めの面接が来ても慌てず、願書・エッセイにも一貫性が生まれ、大きな武器になります。
出願ポータルサイトで受験校の登録
ボーディングスクールを受験するには、まずSAOや Gateway to Prep Schoolsなどの公式サイトに登録する必要があります。


出願ポータルサイトはいくつかあって学校によって使用するものが違うので学校のHPをチェックしてみてください
ボーディングスクールはほぼ例外なく、これらのシステムを通じて願書提出を管理しているため、登録なしでは受験が始まりません。

これらのポータルでは、
- 願書の入力
- 受験料の支払い
- エッセイの提出
- 学校の先生への推薦状依頼
- 成績表のアップロード
など 出願に関わるすべてを一括管理 できます。
また、登録を済ませて受験校を追加すると、
それぞれの学校のエッセイ題目や提出書類 が一覧で表示されるため、
どの学校がどんな書類を求めているか早い段階で把握できます。
実際には、夏のうちにアカウントだけ作成しておき、受験校が決まったタイミングでどんどん登録していくのがスムーズ。
エッセイの題目も早めに確認できるため、面接前から“自分の軸”を固めやすく、準備の遅れも防げます。

入力事項がかなりあります!あとから修正できるので早めに記入を始めましょう。
私は間違いがないかエージェントに最後チェックしてもらいました!
必要書類の準備(成績・推薦状・エッセイ)
成績表(2〜3年分)
中学の2~3年分の成績を提出します。
成績表は本人が用意するものではなく学校側が直接出願ポータルサイトにアップデートします。
留学生は特に英語の成績をチェックされるので要注意です!
5-2 推薦状(担任・英語・数学など)
ボーディングスクールが特に重視する書類です。
日本の先生に英語で依頼する必要があるため、早めの準備が必須。

好きな教科の先生や仲いい先生のお願いするのがいいですよ
5-3 エッセイ
学校によって質問が異なり、10〜20本以上書くこともあります。
自分の言葉で語れる内容が最も評価されます。
ちなみに親のエッセイもあります涙

親のエッセイだけで15本くらいあり、泣きながら年末やりました!!
キャンパスツアーと面接対策
面接について

時間はおおよそ60分。
メンバーは
- 面接官(基本1人)
- 本人
- 保護者(1人~3人:通訳が一緒でもOK)
流れとしては
- 軽く全員で挨拶(5分)
- 面接官と本人(40分以上)
- 面接官と保護者(10分~15分)
となります。
ボーディングスクールの面接には、
- オンキャンパス(対面)
- オンライン(Zoom)
の2種類があります。
どちらも選べますが、それぞれ特徴が大きく違います。
面接の前にキャンパスツアーがついており、在校生のツアーガイドが校舎・寮・食堂などを案内してくれます。


ここで実際の生徒と触れられるため、学校の雰囲気や「どんな生徒がいるのか」を肌で感じられる貴重な機会になります。
時間になったらZoomで入室します。

自宅で落ち着いて受けられる反面、学校の雰囲気がつかみにくいため、事前に学校リサーチをしておくとスムーズです。
よく聞かれる質問
- 志望理由
- 好きな教科と理由
- 中学生の間に一番頑張ったこと
- 困難を乗り越えた経験
- チームでの役割
- 最近読んだ本
- なにか質問ありますか?
- (オンキャンパス)キャンパスツアーどうだった?
- なにか質問ありますか?
- 子供を留学させる理由はなんですか?
- 留学に求めるものはなんですか?
面接官がチェックしているところ
面接自体は60分くらいですが、面接官は最初の20分で評価が決めると言われてます。
面接官がチェックしているポイントは主に以下の項目です。
- 英語力
- 自分の言葉で話せる
- 好奇心がある
- 明るい・素直
- 協調性がある
- 学校の雰囲気と合うのか

面接中の手応えや感触と合否は違うことが多いので、うまくいかなくても最後もまで諦めず自分らしく話してみてください
面接時の服装

面接時の服装は、基本的に 「清潔感があり、きちんと見える格好」 が鉄則です。
最も無難で安心なのは、
- 学校の制服
- (男子)ジャケット+シャツ+ネクタイ+パンツ
- (女子)ジャケット+シャツ+ネクタイ+パンツorスカート
- (共通)靴は革靴
全体的に落ち着いた印象を与える attire がベストです。

ただし、アメリカの学校の中には“服装からその人らしさを知りたい”と考える面接官もいます。
アクセサリーや自分らしい小物が話題になり、そこから面接が広がったというケースもあるほどです。
とはいえ、個性的すぎる服装や普段着に寄せすぎるスタイルはかなりチャレンジング。

本番の印象を左右するため、よほど明確な理由がある場合を除き、
まずは“きちんと見える”服装を選ぶのが安全です。
服装で冒険するより、きちんとした身だしなみで臨む方が面接官の印象にもプラスになりやすいです。
TOEFL・SSATについて
これらを求められる背景

ボーディングスクールの出願では、多くの学校で TOEFL・SSATの提出を推奨または必須 としています。
その主な理由は、学力だけでなく「英語で授業についていける基礎力」や「論理的思考力」を測るためです。
特に世界中から留学生が受けに来るボーディングスクールでは、
母語レベルの英語力の子、中国・韓国の受験生のようにほぼ満点を取ってくる層 も普通にいます。

韓国にはTOEFL・SSATのすごい塾があり日本からもわざわざ渡韓して授業を受けに行く人もいました。
そのため、テストスコアは“最低限の基準”として見られる部分があり、スコアが高いほど書類選考がスムーズに通りやすい傾向はあります。
とはいえ近年は「任意提出」の学校も増えており、その場合は エッセイ・面接・学校成績で総合的に判断 されます
TOEFLが苦手でも、エッセイや面接の評価が高ければ十分に合格を狙えるのもボーディング受験の特徴です。
TOEFLについて

TOEFLは
- 読む
- 聞く
- 話す
- 書く
これらの英語力を測る総合テスト で、アメリカの学校生活で必要な英語力を判断するためによく利用されています。
ボーディングスクールの場合、
目安としては TOEFL 60〜90点 の範囲に多くの合格者がいます。
- 60点前後……ESL(英語サポートクラス)に入る可能性
- 70〜80点……中堅〜上位校の合格圏
- 90点以上……トップ校の合格ラインに届く
英語の伸びには個人差があるものの、コツコツ対策すれば点数は確実に上がるテスト。とはいえ早めの準備が鍵になるため、受験の1年〜1年半前から取り組んでおくと安心です。
ワンダと私の中学3年間のTOEFL勉強法について記事にまとめてます。
SSATについて
SSATはアメリカ私立中高のための 学力適性テスト(統一テスト)。
内容は次の3分野に分かれます。
- 語彙(Verbal)
- 読解(Reading)
- 数学(Quantitative)
ボーディングスクールにとってSSATは「学習の基礎力」をチェックする役割が強く、特に英語圏の生徒たちはここで高得点を出します。
中国・韓国の受験生は対策に非常に力を入れており、80〜99%tileを出してくる子が珍しくない のが現実です。
留学生の合格ラインの目安は
50〜70%tile と言われていますが、
SSATが低くても、
- 面接が強い
- 個性が魅力的
- スポーツが突出している
- 芸術面が優秀
といった要素があれば、十分に逆転できます。
SSATも「慣れ」で伸びる部分が大きいため、単語や読解の基礎を夏から積み上げておくと成果が出やすいです。
まとめ
ボーディングスクール受験は、日本の一般的な受験とは大きく異なり、書類量の多さ・面接の重要性など初めての家庭ほど戸惑うのは当然です。
しかし、実際に息子の受験を経験して感じたのは、
「準備さえすれば誰でも戦える受験」ということ。
日本人は世界的には希少で、礼儀正しさや協調性が評価されるためチャンスは多くあります。そして受験を進めていく中で、子ども自身が大きく成長していきます。
息子も、自分の言葉で考えエッセイを書き、面接で自分の価値観を語る過程で、目に見えて頼もしくなっていきました。
受験は確かに大変ですが、その先には想像以上の世界が広がっています。










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