第一志望不合格からの再始動
第一志望の学校に落ちてから数日間。
親子で立ち尽くしたまま時が止まっているように感じていました。
でも現実は残酷で、ほとんどの学校の出願はすでに締め切られてしまっている。
「もう時間がない…」
そんな極限の状況で、私たちを救ってくれたのが“女将エージェント”でした。
ババ美ちゃんの紹介で出会ったあの人。
包み込むような優しさと鋭い指摘で、これまでの準備不足を浮き彫りにしてくれた人。
その女将が「まだ間に合うかもしれません」と言ってくれた一言を頼りに、私たちは再出願に踏み出しました。
女将エージェントの本領発揮
書類の多くは前回の出願で作成したものを活かせましたが、問題は「学校指定のエッセイ」と「面接」。
ここからが女将の真骨頂でした。
「この質問にはこう答えて」
「その言い回しじゃ弱い。もっとシンプルに」
「面接は言葉だけじゃなく雰囲気も大切よ」
まるで舞台の演出家のように、細部まで指導してくれる姿は圧巻でした。
ワンダが答えるたびに容赦なくダメ出し。
それを直していくうちに、表情も声も堂々としてきて、見ているこちらが驚くほど。
面接練習は夜遅くまで続くこともありました。
疲れ切ったワンダの横で、私は感謝の気持ちで胸がいっぱいに。
「ありがたや…🙏」と、何度心の中で手を合わせたことか分かりません。
面接当日のまさかの事件
そして迎えた面接当日。
ついに本番だと緊張と期待を抱えていた朝、思いもよらない出来事が起こりました。
――ワンダ、発熱。
検査の結果はまさかのコロナ陽性。
「えっ…嘘でしょ?ここまで準備してきたのに?」
頭の中が真っ白になり、息が詰まりそうになりました。
「終わった…」
一瞬、本気でそう思いました。
でも、そこで奇跡が起こります。
事情を学校に説明すると、なんと快く面接日を再調整してくれたのです。
日本の学校では、スケジュールが一度決まれば変更はほぼ不可能。
「もし日本だったら絶対無理だったよね」
私たちは互いに顔を見合わせ、アメリカの柔軟さにただ驚くばかりでした。
1週間後のリベンジ面接
ようやく迎えたリスケジュール後の面接日。
1週間という猶予のおかげで、体調も回復したワンダは再びスーツに袖を通しました。
画面越しの受け答えは、女将の指導そのまま。
落ち着いた声、しっかりした姿勢、そして笑顔。
前回の面接よりもはるかに堂々としていて、見守る私は思わず「おぉ…」と声を漏らしてしまいました。
でも――
母としては安心できるはずもなく、手のひらには冷や汗、心臓はバクバク。
頭の片隅では常に「前回は落ちた」という記憶がよみがえり、不安と期待が交錯し続けていました。
果たして、この努力は報われるのか。
そして、ワンダは運命の学校にたどり着けるのか。




コメント