留学させてよかったかどうかについて
結論から言います。
「行かせて本当に良かった!」――これが私の正直な気持ちです。
もし日本の学校に通っていたら、今のワンダはどうなっていたんだろう…と想像しても、今の姿は浮かびません。留学で得た経験は、私たち家族に大きな希望と夢を与えてくれました。
今回は、実際に留学させてよかった理由と、その一方で大変だったことについてお話します。
1. 子どもの「自信」が育った
一番の変化は、ワンダの自信です。
それは大声で自慢するようなものではなく、落ち着いた、自分らしさを大切にした自信。日本にいた頃は、どこか常に焦っていたり、少しイライラしていたりすることもありました。
日本の学校は基礎を大切にし、協調性を重んじる一方で、個性を前面に出すのが難しいこともあります。でもアメリカでは「自分らしさ」が尊重され、遊びも学びも自由。そして成績はテストの点数だけでなく、授業参加、発表、レポートなど総合的に評価されます。だからテストで失敗しても、他で挽回できるチャンスがあるんです。
もちろん楽なことばかりではありません。
授業は課題が多く、入試もペーパーテストではなく日々の成績が重要視されるため、いつも気が抜けません。英語での会話も、時には心がズキッとするような経験があります。人種や文化の違いからくる言葉に傷つくこともあります。でも、そのたびにワンダは一つひとつ乗り越えてきました。
そして何より、親元を離れて一日一日を生き抜く経験が、彼を何倍にも成長させたと思います。今のワンダの、輝く目と頼もしさは、数年前とは別人のようです。
2. 英語力が飛躍的に伸びた
正直、これは想像以上でした。
ワンダは中1で渡米してから数年で、アメリカの保険制度について調べ、現地の保険外交員に取材し、クラス全員の前で発表できるまでに。
驚くのは、彼が留学前、一度も英語塾や公文に通ったことがないこと。私自身も同じくらいの年齢でアメリカに行きましたが、今のワンダほど話せません。
大きな違いは「寮生活」だと思います。
24時間英語に囲まれ、日本語の環境はほぼゼロ。友達との雑談も、先生とのやりとりも、すべて英語。この徹底した環境が、語学の上達を一気に加速させました。
3. 独立心が育った
留学してからのワンダは、とにかく自立しました。
洗濯や掃除はもちろん、生活リズムの管理や目標設定も自分で行うように。
特に感心したのは、大人との自然なコミュニケーションです。初対面でも笑顔で挨拶し、相手の様子を見ながら会話を広げる。足の悪いおばあちゃんにさっと腕を貸す…そんな気配りも自然にできるようになりました。
同じようにボーディングスクールに通う日本人生徒も、自信と輝きに満ちています。彼らに会うたび、私まで元気をもらえるんです。
留学の大変さもある
もちろん、すべてが順風満帆ではありません。
子どもを留学させて辛かったこと
一番つらかったのは、成長の瞬間をリアルタイムで見られないことです。試合や発表会、そして何より、学期ごとの表彰式。ワンダが壇上で「成績優秀賞」を受け取る姿を、直接見られなかったことは今も心に残っています。
それでも、離れていても確かに感じる成長があります。
この距離があるからこそ、子どもはより大きく羽ばたくのだと、今は思えるようになりました。
こうして振り返ると、「行かせてよかった」という気持ちはますます強くなります。
子どもの可能性を信じて一歩踏み出す――それは親にとって勇気のいる決断ですが、その先には想像以上の景色が待っていました。